かつての墓は鹿児島にあったが、令和四年にこの地に移した。故郷の地を思い出せるよう、正面には桜島を描いた。
母は花が好きで、特に家の前の桜を愛でていたことから、石材には桜と縁のある桜御影石と印度八重桜を選定した。
本の形を象ったのは、父が執筆を、娘が読書を好んだからである。娘は多くの蔵書を持ち、出版の仕事に携わっていた。
この本は、先祖代々の歩みと想いを記したものである。開かれた頁には、「思愛」「静偲」という二つの言葉を刻んだ。思愛は、親子、夫婦や親族の間の情愛と絆である。静偲には、以下の想いを込めた。
ー この地に来たときは、心静かに私達を偲んで下さい。
ー この地に来たときは、心静かにあなた方を偲ぶでしょう。